12.治り難い(再発し易い)歯周病て何?
一般的に、歯周病の原因は細菌であると言われています。
それであれば、お口の中の細菌を減らせば、歯周病が治り、再発することなく安定するのでしょうか?
答えは、NOです。
(そのような、単純な話しではありません。)
確かに、歯周病の原因は歯周病細菌ですが、細菌以外の他に歯周病を誘発したり悪化させる原因が複合的にある場合は、いくらお口の中を清潔にして細菌を減らしても歯周病が治らなかったり、一時的に治ってもすぐ再発したりしてしまいます。
歯周病治療で他の歯科医院に通院していたが一向に良くならず、当院が「歯周病専門医」とお知りになりお越しになられる、歯周病を真剣に直したいと思っておられる患者様の多くが
「自分なりに気をつけて、食後直ぐに歯磨きをして、定期的に歯科医院にて検診やクリーニングを受けていたのに、歯周病が一向に治らないし悪くなるのはなぜですか?」と口にされます。
「歯周病専門医の立場」からすると、まだ口腔清掃状態やお口のクリーニングが不十分である場合もあるものの、
細菌以外の他の原因が関係している場合が多いのが現状であり、それが歯周病治療の難しいところでもあります。
歯周病は、日頃お口の清掃をして菌の繁殖を予防し、また歯周病になったらお口のクリーニングをしたりお薬を飲んだら治るような単純な病気ではありません。
細菌以外の原因が関与している場合は、
それらの治療や対応をしない限り「歯周病を克服」することは出来ません。
長年のわたり専門的に歯周治療を行ってきた結論は、
歯周病で悩んでおられる患者様の殆どは、細菌以外の原因が関係している可能性が非常に高く、それらの原因が解決しない限り治らない。」と言うことです。
また治療の難易度においても、
ただ、口腔清掃を徹底して細菌数を減らす治療よりも、細菌以外の原因を解決する治療や対応の方が、何倍も難しく熟練と高度な技術を必要とすることなのです。
では、歯周病を引き起こしたり、悪化させる細菌以外の原因は、何であるかをご紹介致します。
歯周病を誘発させたり悪化させる増悪(修飾)因子
1.咬合性外傷(過大な噛み合わせの力による、歯と歯の周りの骨にかかる過剰負担)
① 一次性咬合性外傷
② 二次性咬合性外傷
2.自己免疫力の低下
① 過労
② 睡眠不足
③ 偏食
④ 不規則な生活
⑤ 過大なストレス
⑥ 加齢(老化)
⑦ 口呼吸
⑧ 全身疾患と治療薬の長期服用による副作用
糖尿病・腎臓病・肝臓病・心臓病・白血病・膠原病・骨粗鬆症・
癌・ダウン症・高血圧症・高コレステロールその他多数
3.血液循環障害
・歯周病に罹患した原因として細菌以外に、これらの原因が加わると難治性の歯周病になる可能性が大きくなる。・細菌以外の原因がいくつも加わると、より難治性の歯周病になる可能性が非常に大きくなる。
1.咬合性外傷(過大な噛み合わせの力による、歯と歯の周りの骨にかかる過剰負担)
① 一次性咬合性外傷
硬い物を食べたり、噛み締めたり、歯ぎしり(ブラキシズム)することにより、歯を揺さぶるような過大な力が加わり、歯を支える役目をしている歯根の周りの歯槽骨が溶けて無くなったり、歯根が歯槽骨から剥がれて脱臼してしまう傷害。
またこれら日常の悪い行為は、顎の関節にも過剰負担がかかるため、顎関節症にならないためにも注意が必要とされています(実際の対応法は、受診時にお尋ね下さい)。
② 二次性咬合性外傷
ある程度歯周病が進行し歯槽骨が溶けてしまうと、結果的に歯根が歯槽骨の中に埋まっている量が少なくなり、健康(正常)な時(歯根がしっかり歯槽骨の中に埋まっている状態)には、全く歯と歯槽骨に負担とならなかった噛む力でも、負担となり歯が揺さぶられて、さらに歯槽骨が溶けていく傷害。
即ち、若くて健康であった時には全く負担にならなかった噛み応えのある食べ物や悪い生活習慣も、歯槽骨が吸収するところまで歯周病が進行した場合は、傷害となるためそれ以上進行しないようにするにも、口腔清掃は基より、「力」による過剰負担をかけないように「いたわる」ことが必要不可欠となります。
また、言い換えると「いたわる」ことが出来なければ、いくらお口を清潔にしても、歯周病は進行してしまうと言うことです。
2.自己免疫力の低下
① 過労
② 睡眠不足
③ 偏食
④ 不規則な生活
⑤ 過大なストレス
⑥ 加齢(老化)
⑦ 口呼吸
⑧ 全身疾患と治療薬の長期服用による副作用
糖尿病・腎臓病・肝臓病・心臓病・白血病・膠原病・骨粗鬆症・癌・リュウマチ・
甲状腺機能障害・ダウン症・高血圧症・高コレステロールその他多数
3.血液循環傷害
何らかの原因にて、歯周組織の血液の循環障害が起こり歯肉の発赤が起きる。
(実際の対応法は、受診時にお尋ね下さい)。