1.インプラント治療は何時からどのような経緯で行われる様になったの?
驚くことに、はるか昔の古代エジプトの時代から、人は歯を失うことにより咬み合わせが失われたのならば、「もと歯のあった顎の骨に人工の歯を埋め込み噛み合わせを回復することが理想である。」と考えていたようで現代のインプラントのような治療が試みられていたようです。
しかし、なかなか天然歯の歯根の代わりとして長く使えるものは出来なかったようで、長い年月をえて1952年に現代のインプラントの基礎が出来上がりました。
それは、当時スウェーデンの整形外科医であったブローネマルク博士が、別の目的で動物実験を行っていた時、チタンと言う金属が骨に結合(オッセオインテグレーション)することを偶然に発見しました。
その後の研究で、
1.チタン金属に対して、人間の体が拒否反応を示さない。
2.数か月間安静にすることで、チタンと言う金属が骨に結合する。
3.骨と結合したチタンは大きな力に対して耐えうる。
等が分かりました。
まず、整形外科の分野で骨折した骨どうしを固定するプレートやネジさらに人工関節に利用され好成績を収めました。
これらの実績からブローネマルク博士は、この技術を歯科治療に応用出来ないかと考え研究を重ね、1965年に実用化され30代の女性に初めて純チタン金属を利用したインプラント治療が行われました。
その女性が約40年後の2006年に病気で亡くなられた時も、インプラントは何も問題なく骨と結合して機能していたそうです。
今から約46年前の1965年に実用化されて以降、より骨と早く強固に結合するよう改良が重ねられ、年齢・地域を問わず世界各国の約70万人の患者に行われている実績のある安心な治療法です。