8.歯周病の重症度(進行度)を調べる検査方法
一般的に、当院で行っている歯周病の進行を調べる方法として、
①歯の周りの歯周ポケットの測定検査 ②歯肉からの出血の有無の検査 ③歯の動揺度の検査 ④歯槽骨の吸収度合いを調べるレントゲン検査 ⑤歯根膜腔の拡大度合いを調べるレントゲン検査 ⑥その他
特殊な場合(保険対象外の検査)
(歯周病が中等度以上に進行している場合や一般の治療法で治療効果が表れない場合等)
⑦細菌の活動度合いを調べる位相差顕微鏡検査 ⑧感染している細菌の種類と細菌数の測定を行う細菌検査
① 歯の周りの歯周ポケットの測定検査歯の生え際の歯肉部を「遊離歯肉」と言い、歯と遊離歯肉の間に、健康な場合でもすき間があります(左図)。
そのすき間を「歯周ポケット」と呼びます。
健康な歯周ポケットの深さは、0.5~2㎜弱とされています。
歯周病が進行すると、歯周病ポケットが深くなります。
その深さを測ることにより歯周病の重症度(進行度)の判断が可能となります(左下図) 。
歯周ポケットの深さを調べる検査 |
② 歯肉からの出血の有無の検査
歯周ポケットの深さの測定時に、歯肉からの出血があるかを診査します。
健康な歯肉の場合は、出血は起こりません。
③歯の動揺度の検査
ピンセット等で軽く力を掛けて歯の動きの有無を診査します。
健康な場合は、歯は軽い力では動きません。
しかし、歯周病が進行し歯を支えている歯槽骨が吸収し始めると、歯が左右に動き始め、さらに進行し末期に近づくと、上下に沈み込むようになります。
口腔内の診査だけでは、歯の周りの歯槽骨や歯根膜腔の状態は、わかりません。
従って、歯周病の診断には、レントゲン写真が必須となるのです。
歯周病が進行すると、
歯根の周りの歯槽骨が溶けなくなったり(歯槽骨の吸収) 、歯が脱臼傾向となり、歯根と歯槽骨がはがれてすき間(歯根膜腔の拡大)が出来てしまいます。