2.歯周病治療の現状と将来
1)歯周病の原因
2)歯周病の進行過程
3)歯周病の治療法
4)歯周病の予防法
5)歯周病の再発防止法
等において、現在はかなりのところまで解明され治療に役立てられております。
しかし現在の医療水準では、
歯周病が進行し失われた骨(歯槽骨)を、再生させ元通りにするところまでは至っておりません。
失った骨を再生もしくは補うために、「最先端治療」と称し、他人もしくは動物から抽出した薬液や代用の骨などを利用した、幾種のもの研究ならび臨床試験が行われています。
実際に臨床でも用いられているものが一部ありますが、長期的(15年以上)に予後がまだ観察されておらず、「確実に骨が出来て、長期にわたり安定し安全である。」と証明された最先端の治療法がまだ無いのが現状です。
従って、 いくら最先端の治療と言えども、これらが証明されていない薬液や代用の骨等は、安全性を考え控えた方が良いと判断して当院では、使用しておりません。
失った骨を再生させる方法で、私が唯一期待している研究があります。
それは、患者様自身(ご自分)の細胞を採取し培養して骨をつくり、それを失われた骨の部分に移植し再生させる方法です。
その方法は、患者様自身の細胞からつくられたものであるため、拒否反応も無いことから、かなり期待の持てる研究であり完成に近づいているようです。
しかし、この研究も安全性が証明される迄に、10年以上は掛かると思われますが、
「失った骨を再生させることが出来て、歯周病により歯を抜かなくて済む時代」が早かれ遅かれ確実に来ます。
従って、せっかくそのような夢のような時代が来ることがわかっているのに、その時までに間に合わず、歯周病が進行して抜歯とならないためにも、
「歯周病の予防・早期治療・メンテナンス・定期検診」がとても大切であると思われます。