緑が丘歯科医院 | 江南市の歯医者・歯科・歯周病・矯正・インプラント
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11.歯周病が影響を及ぼす可能性がある疾患

    歯周病治療の詳細

    1.誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

    日本人の高齢者の死亡は、例えば脳や心臓の初発疾患が原因であったても、最終の死因は肺炎であることが多いため、直接の死亡原因の約1/3が、肺炎を占めています。

    その肺炎の多くは、誤嚥が原因である誤嚥性肺炎であると言われています。

    歯周病治療の詳細
    唾液や食物が食道から胃ではなく、誤って気管から肺へ入ってしまうことを、誤嚥と言います。

    普通このような場合は、咳により吐き出すことが出来ますが、高齢になるに従って吐き出す力が弱くなったり、反射が低下するために、むせることもなく、知らないうちに誤嚥を起こしている可能性が増えてしまいます。

    また、起きている間だけでなく、寝ている間にも唾液を誤嚥していることがあります。

    誤嚥性肺炎とは、お口の口腔ケアが悪く、虫歯や歯周病になり放置した結果、それらの原因菌細菌を含んだ唾液や食物が、誤って気管から肺へ入ってしまい炎症を起こした肺炎のことを言います。
    日頃、良く「むせる」ことが多かったり、風邪でもないのに「咳込む」ことが多い方、「いびきをかく」方等は、誤嚥を疑うことが必要であり、口腔内の環境が悪く細菌が繁殖し過ぎると、誤嚥性肺炎になる可能性が高くなるため、日頃の口腔ケアと虫歯や歯周病の早期治療ならび、定期的な検診とPMTCが必要となります。

    2.細菌性(感染性)心内膜炎(さいきんせいしんないまくえん)

    細菌性(感染性)心内膜炎とは、心臓内部を覆っている心内膜や心臓弁に細菌が感染し炎症を起こす病気です。

     急性細菌性(感染性)心内膜炎:突然発症して数日のうちに命の危険にさらされます。
     亜急性細菌性(感染性)心内膜炎:数週間から数カ月かけて知らない間にゆっくりと発症します。

    亜急性細菌性(感染性)心内膜炎に罹患している患者の病変部や血液を調べると、歯周病細菌が見つかることが多いことから、細菌性(感染性)心内膜炎の原因のひとつに、歯周病が大きく関係していることが分かってきました。

    歯周病治療の詳細

    近年、心臓病心臓発作が、歯周病に相関関係があると認められ始めました。

    その関係のしくみは、「歯周病の原因菌が(亜急性)細菌性心内膜炎を引き起こし、最終的に心臓の血管を詰まらせたり、血管の細胞に障害を与えるためである。」とされています。

    医学的調査から、歯周病患者は健常者に比べ約1.5~2倍も、心臓病(心臓血管系疾患)になるリスクが高いとされています。

    従って、日頃の口腔ケアーと歯周病の早期治療ならび、定期的な検診とPMTCが大切と思われます。

    3.胃潰瘍

    健康な胃では胃粘液を分泌し、胃酸から胃の粘膜を守っています。

    しかし、過労や精神的なストレス等でそれらのバランスが壊れ、胃酸により胃の粘膜が障害されると胃潰瘍が生じ易くなるとされています。

    また、リウマチや高血圧症などの慢性疾患等で、解熱鎮痛剤や降圧剤等の薬を長期に服用したり、アルコールの飲み過ぎ、暴飲暴食、胃酸過多等、胃に過剰な負担をかけることにより、胃の粘膜の血液循環が悪くなり胃潰瘍が生じ易くなるとされています。

    歯周病が進行して、歯茎が腫れて歯がぐらつき始め、食物を噛むと痛みを生じるため、よく噛まないで飲み込むことにより、胃に過剰な負担をかけて胃潰瘍になる可能性があるため、日頃の口腔ケアと歯周病の早期治療ならび、定期的な検診とPMTCが大切と思われます。

    4.糖尿病

    糖尿病は、膵臓から糖を消費するために必要なインスリンの分泌量が不足するために、血液中の糖の値(血糖値)が高くなる疾患です。

    糖尿病の多くはⅡ型で、日本では740万人程が罹患していると言われ、また実際は糖尿病に罹患していても、気付いていない人が多いのが現状のようです。

     Ⅰ型(インスリン依存型)糖尿病:
      先天的に膵臓のランゲルハンス島β細胞が障害を受けて、血液中の糖を筋肉や脂肪組織に送り込む役目をするインスリンが十分に分泌されないため、結果的に血液中に糖が残留し、血糖値が高くなる病気で多くの場合若年から発症します。

     Ⅱ型糖尿病:
      インスリンは分泌されるが、糖分の過剰摂取・暴飲暴食・偏食等の悪い食生活や運動不足等により、カロリー過多でインスリンの分泌が低下したり、脂肪細胞からインスリンの働きを抑制する物質が分泌され、血糖のコントロールが難しくなり高血糖になった状態です。

    また、
    一般的に「糖尿病は生活習慣病である」と表現される場合は、
    この「Ⅱ型糖尿病」のことを指します。

    糖尿病に罹患し高血糖になると、下記の病気等が併発(合併症)し易くなります。

    歯周病治療の詳細 1.毛細血管がもろくなり感染しやすくなる。(歯周病と大きく関係
    2.心筋梗塞 3.網膜症による視力障害
    4.腎障害(糖尿病性腎症)
    5.脳梗塞・脳出血
    6.神経障害(糖尿病性神経症)
    7.血流障害による、手足の壊死

    歯周病のような慢性疾患を放置すると、炎症性物質(サイトカイン)TNFα多量に分泌されます。

    歯周病治療の詳細 TNFαは、インスリンレセプターを前もってブロックしてしまうため、インスリンの働が抑制され、高血糖状態となり糖尿病さらに悪化させてしまう可能性があります。


    また最近では、
    糖尿病患者の歯周病治療することにより、炎症性物質(サイトカイン)TNFα抑性されることにより、インスリンが働き始めて血糖値が下がり、糖尿病改善傾向となったという数多くの報告がされ始めています。

    歯周病治療の詳細

    <歯周病と糖尿病との間の密接な関係>
    糖尿病患者:
      感染し易くなるため、歯周病罹患し易くなります
    糖尿病歯周病の双方に罹患している場合:
      糖尿病進行すると、歯周病悪化する可能性が高い。
    歯周病放置すると、糖尿病悪化する可能性が高い。
    歯周病治療すると、糖尿病改善する可能性が高い。

    従って、糖尿病に罹患している場合、
    日頃の口腔ケアーと歯周病の早期治療ならび、定期的な検診とPMTCがとても大切と思われます。

    5.低体重児出産(早産)

    日本では、早産等による低体重児出産の割合は、約10%程度あると言われています。

    危険因子の1つとして細菌感染があり、膣内に感染があると子宮や羊膜腔に悪い影響があり、子宮の収縮や子宮頚部の拡張が起きて早産となってしまいます。

    また、呼吸器のウイルス感染なども妊娠トラブルの引き金となります。 歯周病治療の詳細

    歯科疾患で低体重児出産(早産)に関係ある危険因子として、

    1)
    細菌による内毒素による影響

    妊娠すると赤ちゃんを育てる胎盤がつくられ、胎盤では元気な赤ちゃんを出産するのに必要なさまざまなホルモンを作り母体内に流します。

    口腔ケアーが悪い状態で、そのホルモンが、歯周ポケットからしみ出ると、それをビタミン(栄養源)のように利用して爆発的に増えるP.i菌(Prevotella intermedia:プレボテラ インターメディア)という酸素を嫌う嫌気性菌が繁殖をし、歯肉を腫らして妊娠性歯肉炎となり歯肉出血がおこしやすくなります。

    歯周病治療の詳細

    また、
    歯肉出血がおこると、血液を栄養素とする他のさまざまな細菌もどんどん増殖し内毒素をつくり、腫れた歯肉の血管から血液中に内毒素が入り込み子宮や胎盤に悪影響を与え、低体重児出産(早産)を引きおこす原因の1つとなります。

    2)
    ホルモン様(生物活性)物質プロスタグランディンE2による影響

    歯周病が進行して歯肉の炎症が強くなると、歯周組織中のプロスタグランディンE2増加します。

    プロスタグランディンE2は、羊膜腔・胎盤膜に作用して子宮を収縮し子宮頚部を拡張して、陣痛が促進されて低体重児出産(早産)の原因の1つとなります。

    プロスタグランディンE2Fは、子宮収縮作用があるため、
    臨床で陣痛促進剤成分として利用されています。)

    歯周病治療の詳細

    プロスタグランディンE2の働き:
      ・血管拡張作用  
      ・血流増加作用  
      ・破骨細胞の活発化

      

    妊娠すると、妊娠性歯肉炎罹患し易く、その妊婦特有の歯肉炎が
    妊娠トラブルの原因に関与する場合があります。
    妊娠したら、元気な赤ちゃんを出産するためにも、

    日頃の口腔ケアーと歯周病の早期治療ならび、定期的な検診とPMTCがとても大切と思われます。
    当院は、
    「江南市の妊婦健診取り扱い歯科医院」
    指定されています。

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