1.虫歯(う蝕)の原因
虫歯(う蝕)は、インフルエンザやコレラや破傷風のように、ウイルスや細菌が外から体の中に侵入し感染する外因感染症ではなく、
歯周病と同様、常に人のお口の中に存在(生まれたばかりの赤ちゃんを除く)する、口腔常在細菌の中の虫歯の原因菌による「内因細菌感染症」なのです。
虫歯の初発(誘発)原因菌は、ミュータンスレンサ球菌の中の、
Streptococcus mutanst と Streptococcus sobrinus とされています。
Streptococcus mutansts菌
しかし、それらの細菌のみでは力は弱く、「宿主(体)側の悪い環境因子」が複合的に長期に加わったときに、初めて虫歯(う蝕)になります。
「宿主(体)側の悪い環境因子」の例
1)「糖分」の過剰摂取
糖分とは砂糖だけではなく、くだものなどの果汁・果糖・蜂蜜等も含まれます。
2)「唾液の量」が少ない場合(口腔内が乾燥傾向な場合も含む)
元々唾液の量が少ない場合以外に、唾液の量が減る原因
①加齢 ②ストレス ③高血圧の薬(降圧剤)・高コレステロールの薬・精神安定剤・睡眠薬・その他等の薬による副作用 ④口呼吸
3)「唾液の質」に問題がある場合
唾液緩衝能(機能)が低い(唾液検査にて調べる)
4)「歯の硬さ」が軟らかい場合
生まれつき歯の質が弱い場合以外に、
①乳歯や永久歯ともに、萌えたばかりでまだ歯が軟らかい場合 ②加齢による老化・歯周病・咬み合わせの負担等で歯茎が下がり、軟らかい歯根面が出ている場合は、根面の虫歯(う蝕)になりやすい
5)「口腔内が不潔な(口腔内の清掃が不十分)状態が持続」した場合
①食後や間食後にすぐに歯磨きを行わない ②歯磨きの仕方が悪く、磨き残しがある場合 ③歯ブラシの種類がお口に合っていなくて、磨き残しがある場合
「宿主(体)側の悪い環境因子」が複合的に長期間持続した場合、虫歯が進行してしまいます。