「ぴったり咬み合う調子が良い入れ歯」を作る各ステップとそのポイント
入れ歯を作る時、「咬み合わせ」がもっとも重要です。特に「総入れ歯」の場合は、残っている歯がまったくなく入れ歯を支えるのに利用できる歯が1本もないため、部分入れ歯以上に難易度がかなり増し「咬み合わせのバランス」が入れ歯の調子の良し悪しを「大きく左右」します。
当院では精密な歯型の採取・咬み合わせの決定の元、個々の患者様の関節や顎の動きに合わせた咬み合わせを作り入れ歯のバランスをとり「ぴったり咬み合う調子が良い入れ歯」を目指します。そのためには、「数多くのステップが必要」となり、また「各ステップを確実に行う」必要があります。
Step1.歪みのない歯型取り(印象採得)
歯型取り(印象採取)をする上でもっとも大切なことは、「変形(歪み)のない歯型取り」をすることです。入れ歯を作るための歯型取りは「歯のない軟らかい粘膜の部分」の型を取るため、変形しないように取ることはとても難しいことなのです。
歯科技工士は、歯科医師により採取された歯型に石膏を流して歯型の模型を作り、すべてその模型上で入れ歯を製作していきます。従いまして、歯型を採取する時は、いかに変形を防げるかを考えながらていねいに型取りをしなくてはなりません。何故なら「お口の状態を完璧に再現」しなければ精度の高い入れ歯を作ることが不可能だからです。
尚、「当院の自費の入れ歯」の場合は、さらに精度を上げるために、「高級な型とり材料を使用」し「特殊な方法で型取り」することで、口腔内の状態を精密に再現し、「完成度の高い調子の良い入れ歯」を作製します。
Step2.正確なズレのない咬み合わせの採取(咬合採得)
患者様の「咬み合わせ」の状態を取らないと、歯型の模型のみではお口の状態を再現するための機械(咬合器)に付けることができません。従いまして、歯型の模型を利用し「咬合床」という「咬み合わせ」を取るための装置を作製します。その装置を用いて、患者様に咬んでいただき「咬み合わせ」を取ります。「咬み合わせ」を取る際に、「咬み合わせを取る装置」の精度が悪いと患者様が咬まれた際にズレてしまったり、痛いため患者様がズラして咬まれたり、残っている歯が少ない患者様の場合、ご自分の本来の咬む位置がわからず違う場所で咬んでしまったりと多くのことに注意を払わなくてはいけません。これら全てが解決していないと「正確なズレのない咬み合わせ」を取ることはできません。
尚、「当院の自費の入れ歯」の場合は、精度の高い「咬み合わせを取る装置」を作製し、長年の経験を活かしていねいに時間をかけて咬み合わせを取ります。
Step3.「咬合器」装着
咬み合わせが印記された「咬み合わせを取る装置」を利用して、「咬合器」という機械に装着します。これでやっと、お口の状態を再現することができたため入れ歯を作りはじめることが可能となります。
まずはじめに、部分入れ歯の場合は、入れ歯の動きをを止めるための針金(金属)の維持装置の作製をし、総入れ歯の場合は、人工歯を並べはじめます。
尚、「当院の自費の入れ歯」の場合は、よりリアルに患者様の顎の動きを再現できる「調節機能がついた咬合器」を使用し入れ歯の作製を行っていきます。
Step4.確認のための口腔内「試適」
途中まで作成された入れ歯を一度試験的にお口の中に入れて、「入れ歯本体の合い具合」「維持装置の合い具合」「人工歯の咬み合わせが顎の動きに調和しているか」等の確認を何回か行います。その回数は、難しさや部分入れ歯と総入れ歯とで異なります。
尚、「当院の自費の入れ歯」の場合は、作製を行っている歯科技工士が治療に立ち会い確認した方が良いと院長が判断した場合は「何度でも担当歯科技工士が治療に立ち会い」、院長の指示のもと修正調整をおこない、より「お口にぴったり合う快適な入れ歯」に作り込んでいきます。
Step5.入れ歯の「完成」
入れ歯の「取り外し方」「清掃・消毒の仕方」等のご説明をおこないます。
Step6.入れ歯の「調整」
一度入れ歯を使用していただき、入れ歯が沈み込んで痛みや傷等が生じた場合は調整をおこないます。
ある程度痛みがない状態で使用していただき、完全に入れ歯が落ち着いた状態で「最終の咬み合わせ確認」をおこない、調整が必要な場合調整をおこない治療終了となります。
尚、「当院の自費の入れ歯」の場合は、精度が良いため痛み等が生じても微調整で済み、ほとんど調整なく使用していただくことが可能です。
Step7.入れ歯の「定期検診」
数ヶ月毎に「定期検診(メンテナンス)」を行っていきます。次回のメンテナンスまでの期間は、状態により決めさせていただいております。